離島

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北部九州西側は島が多い。いわゆる多島海アーキペラゴ(Archipelago)である。

長崎は日本一島の多い県である。私のふるさとは佐賀県だけれど、松浦半島の根元なので、どちらかというと文化圏・地元意識は長崎に近い。

子供の頃から父親が設計造成した船で無人島巡りなどしていたし、小さな島には釣船がどんな港からも出る。本日の目的地は馬渡島(まだらしま)に決定。

見どころは? - 馬渡島 日本にはじめて馬がやってきた謎の島 (jimdofree.com)


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私の出身高校には、こうした各島から毎日連絡船で通学している人たちも多数いた。今日いくことにした馬渡島(まだらしま)まではこの「ゆうしょう」が片道30分で渡す。日に4便。初めて乗る連絡船なので乗り場もわからず右往左往した。

始発は呼子港名護屋港に寄って島に向かう。呼子は駐車場がほぼないらしく、名護屋港にはたくさんあるのでここから乗ることにした。かなりのスピードで驚いた。

乗り込んでから切符売りのお兄さんがきて、降りるときに切符を回収されるシステム。

大人片道870円。


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名護屋は秀吉が朝鮮出兵の為に築いた名護屋城跡のある土地である。まわりには前田、伊達、松平をはじめ、錚々たる大名の陣跡が散在している。まさに「つはものどもがゆめのあと」である。来週はその名護屋城跡で秀吉ゆかりで大茶会が催される。

その時に連れ帰ってきた陶工の技から、唐津焼・有田焼(古伊万里)・伊万里焼へと発展していく。ヨーロッパで白い金とまで呼ばれた磁器。ドイツのアウグスト強王は、陶工を隔離し、口止めの為に殺すなどしてまで、古伊万里を真似てマイセン磁器を作り上げた。


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呼子大橋をあとにする。今回は一人だし、残念ながら名物のイカの活け造りはパス。


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玄海原子力発電所のあるあたり。周りには風車がこれみよがしに林立する。

原発は今年1月に1基追加稼働で、2基になったそうだ。


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珍しい海鳥でもこないかなと見張っていたがカモメがいた程度で、しかも船が早すぎてとても合わせる暇がないくらいだった。ポーポーと汽笛をならして到着。

ここからちょっと南の長崎ではカツオドリもいるのになあ。

 

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馬渡島は住民と釣りの人が訪れるくらいで、壱岐対馬や、平戸、五島などのメジャーとはちがって観光の島ではない。なぜ来たかというと、佐賀県のおすすめ探鳥地になっていたから。雨予報だったけど1%だからなんとかなるんじゃね?と思ったが、降りた途端に真面目に降り始め、なんともならなかった。

しかも降りた途端、ころんで怪我をして手から流血。傘を買うのに1軒しかなさそうなお店でなんとか入手して歩き始めた。

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港すぐの所の神社に良い出会いをお願いするも・・・

お賽銭出すのをめんどくさがったせいかご利益薄し・・・

雨は降り続き、出会えたのはカラスバトジョウビタキのみ。

でもカラスバトは初見だったからうれしかった。あの声はなかなか不気味。

(写真はまだ落としてもいないので後日の予定)


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観光といえるかどうか疑問だが。ポイントその1のカトリック教会。現役の為堂内には入りづらい。写真も不可。雨なので玄関先でしばし休ませていただき、トイレをお借りした。九州の離島は悲しい隠れキリシタンの影を今も引きずっている。だからどうしても、五島とか平戸とか、訪ねるのに気が重くなる。


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この島には野生のヤギがいるという噂だったが、本体は見ないまでも証拠発見。

できたてホヤホヤぽくて、付近には強烈なヤギ臭が漂う。今までそこにいました感。

 

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4時間でおおよそ1周。けっこうアップダウンもあるのだが、登り詰めてやっとたどり着いた番所の辻が観光ポイントその2。黒船を監視していた場所だそうだ。この場合の黒船って、オランダ船?ロシア船?

1人で雨の中傘をさして歩いていると、軽トラにのったおばちゃまが「どけいきよ?」(どこにいっているの?)と声をかけてくださる。哀れに思って乗せてくださろうというのであった。優しいねぇ。


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しかし雨に加えて途中から濃い霧がかかってしまいこのありさま。

心眼でみると朝鮮半島が見えます。

気が付くと帰りの船の時間がせまっている。慌てて持参のおにぎりをぱくつく。

荒井由実の名曲「瞳を閉じて」を頭の中で歌いながら歩いた。あれは五島だけど。

 


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1時間しか余裕がないので飛ばして歩いたら30分で着いた。船着き場にひかえる親子猫。うむ。ご苦労である。


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右奥にうっすら島影がわかりますか?壱岐です。ここになると日帰りはちょっと厳しい。対馬はなおなお厳しい。いつか行ってみたい島である。