宮崎から霧島にかけては神話の土地柄だ。天孫降臨の高千穂があり、伝説があちこちにあるみたいだ。
ここもそうで、渡り観察ポイントの大隅広域公園の隣には、土地の人の誇りという、吾平山稜がある。これは初代天皇である神武天皇のお父君とお母君の陵墓だそうで、日本書紀に登場するそうだ。宮内庁直轄。これを機に神話を勉強したらえらく面白い。
鹿児島本土の隼人と言われる人々も、祖先はなんと海幸彦、この天皇家ともう1つ尾張氏の3つに別れる系統の1つだそうだ。
吾平山上陵の概要説明 | 吾平山上陵 - ぐるっとおおすみ (gurutto-oosumi.com)
神聖な陵墓は小伊勢とも呼ばれるそうだ。陵内には澄んだせせらぎが流れて橋を渡る。これは以前洪水で一部が流されたための放水路として整備されたそうだが、ここもまた伏流水なのか水はこの上もなく透明だった。
なんだか人面魚ふうもいて、カメがいるとおもったらすっぽんだったようだ。さらに下流の川ではオオウナギと思われる長くくねる姿の魚もいた。
このせせらぎにヤマセミもいるというので探したが、鳴き声も聞けなかった。
というか、鳥の声はセキレイのみだった。
陵墓そのものは珍しい岩屋の御陵だそうで、この先一般の立ち入りは禁止。
いよいよ本番の日曜日、早朝から活動したいために、鹿屋市内にしかない宿泊施設に泊るのはやめて(時間がもったいないので)、この吾平山稜の駐車場にて車中泊をすることにした。極狭のヤリスで。これはきつかったのだが、苦労しながらも眠っていたら、がやがやにぎやかな声で目が覚めた。よく聞く山登りのおばちゃん(自分もだけど)達のおしゃべりのような、楽し気な笑い声も混じるものだった。
あれ、もう朝か?早い人がいるなーと起き上がって見てみると、人っ子一人いないし、私以外車もない。時計を見ると3時ちょうど。真っ暗ですぐ後ろのトイレのあかりが煌々とついているだけ。あれ~~~~?
でもなぜかその時は大して疑問にも思わずまた寝てしまった。
後からゆっくり考えると、かなり奇妙な出来事ではないかと思うのだが・・。
ちなみに九州は関東にくらべると1時間くらいの体感で明けるのも暮れるのも遅いです。
朝がきて起きだしたあとの顛末は、3つ前の記事に書いた通り。
一旦雨であきらめて解散したのに、この吾平山稜にいったら突然雲が晴れて青空になって、なんとか少数ながら飛んでくれた。
これも神様のお守りかと思ってしまった。適当にぶらぶらいっただけなのに申し訳なかった。次にいったらちゃんとお参りしようっと。
このあたりは大好きなカワトンボがたくさんいてうれしい。
子供の頃から一番好きだったカワトンボ。メタリックでシックで華奢でほんとに美しい。
澄んだ川面をひらひらと飛ぶさまも優雅だ。
蝶やトンボは飛翔を撮るのがむずかしい~
蝶も関東以西にしかいないモンキアゲハ。飛んでるときは小鳥と間違えるほどの大きさだ。間違えたりしないけど。
日本でみる蝶では最大級で、開帳最大14㎝ほど。夏型は春型より大きく南国ほど色鮮やかなんだそうだ。
これが大胆で近づいても全然逃げない
スマホでも撮れる。
でもやっぱりカメラで撮る方がきれい。
ナミアゲハと比べると大きさがよくわかる。
「また来年も来ニャ」
スマートなカッコイイ猫に見送られて名残惜しくサヨナラした。