野付ではすでに移動した後で会えなかったコクガンにどうしても会いたい。
というわけではるばる会いに行った。
ついに会えた。
比較的警戒心は薄めというコクガン。
たしかにコオリガモやシノリガモの泣きたくなる遠さとくらべたら天国のよう。
それにしてもなんと美しく優雅なことか。
首のチョーカーのデザインもおしゃれで黒い部分はよくみると濃淡2種の色合い。
くちばしの長さといい、全体のバランスといい、パーフェクトといいたいスタイルだ。
飛び立つ姿もしずしずとして優雅。
脚も黒で統一。
翼裏の薄墨色、腹からお尻にかけての真っ白さ、何をとってもパーフェクトだな。
雁で、海で生活する種は他にはいない模様。
日本では天然記念物、絶滅危惧種という希少種だけど、世界的にみれば低懸念LCだそうな。
食性はここでは主に海苔、アマモ。でも、潜ることができないので、オオバンなどが取ってきた餌を横取りするんだと。これを労働寄生というそうだ。
オオバンちょっと気の毒。確かに囲まれていた。
どうも繁殖の様子などから合わせても、この鳥は生きる技術が弱いというか非力というか・・・。
それにしても想像通りのたおやかな雁だった。見惚れました。
彼らの日本への渡りルートはまだ正確には解明されていないらしい。
ロシアの繁殖地はわかっているようだが、そこで標識された1羽は北米アラスカで狩猟捕獲されたそうだ。アメリカでは合法の狩猟対象種だが、数はきっちり制限管理されているらしい。
か弱く、自力では卵やヒナを守れず、キツネやトウゾクカモメの餌食になってしまうため、シロカモメなどの巣の近くに営巣するのだそうだ。多少カモメにも食われてしまうが、カモメがキツネなどを追い払ってくれる恩恵に浴する方法がもっとも生存率が高いらしい。
ロシア語で「カザルカ」。いつまでもこの美しい姿が見られますように。