木曜日に膝の注射にいったらめちゃくちゃ痛かった。2週間前の膝強打がまだ尾をひいていて、毎日シップがやめられない。それでもまた今週も新たな山を求めて東北ミニアルプスへ。その前にまたまたさくらぼに寄ってしまうという・・・(;^_^A
で、初日は午後からしか登れない為、杢蔵山へ。登り3時間の山なのだが意外とよいお山だった。地元愛の感じられる手入れのよい山で、無人小屋もとても丁寧に維持されていた。
このあたりは標高はさほどないものの、登山口も300mほどからで登りの標高差はそこそこの運動量。豪雪に磨かれた急峻な山容が多いようだ。この山も山頂付近の稜線はすっぱり切れ落ちた痩せ尾根で、トレポを両方突くスペースもないくらいなので片側ブッシュを握りながらの歩きであった。また豪雪の為に低めの標高でも高山植物が豊富で、ここも翌日登った神室山も花の百名山に選定されている。先週の不忘山もそうであった。
夜景がよいそうで、その紹介と愛護会の会員募集のお知らせが丁寧にパウチされてテーブルにのっていた。微笑ましい。愛されてるんだね。
杢蔵山もその末端に位置する山脈で、初めて発見する山域だがとても良い山々だ。懐深く、原生を色濃く残して多くの命をはぐくんでいる様子がわかる。神室山も標高は1300mほどだが、この時期でもまだ雪渓があちこち残っている。もともと修験の山らしく12の神が住まわれるそうだ。西の鳥海山と縁が深く、祀るのもおなじ大物忌神。だから好きなのか~と一人納得。
ルートはピークが連続するアップダウンの多い、急登のタフなコースであったが、ほんとに気持ちのいいお山であった。ブナも稜線のものはねじ曲がって、厳しい冬を耐え抜く様子が手に取るようにわかる。
そのブナの幹になんと蛇がはりついていた。何していたんだろう。ひなでも狙っていたのか。しかし器用に張り付くもんだ。落ちないんだろうか。ピタリと静止したままだったが隠れているつもりなのか。
蛇もびっくりだがこの山深さで熊は要注意。地元登山者の熊鈴の巨大さには驚いた。玄関ベルかと思うようなサイズおよび音である。関東人おはずかしい。
熊スプレーはもってますけど。
ここも愛されている様子で、たくさんのルートもあり登山者も多かった。
なんと朝方キョロロの声も聞こえた。
花の百名山の名にふさわしく、お花もとてもよかった。
タムシバは良い香りがあって、花も食べられるようで熊の大好物だそうだ。つぼみは漢方薬に使われ、鼻炎や花粉症などに薬効があるのだそうだ。
綺麗ね~。白い花はすぐ花弁が痛むので綺麗な状態ってなかなか見られない。
特筆すべきはこのツバメオモト。昔は雲取山系の飛龍山を代表する花とされていたそうだが、近年鹿の食害で埼玉では絶滅危惧種とのこと。全国的にかなり減少しているんだそうだ。私がいつもうろつく山では見たことがなくて珍しく、何か知りたくて地元の登山客に教えてもらった。これがルート両脇にあふれるように咲いていてそれは見事であった。オモトの葉に似るが、科としてはユリ科なのだそうだ。瑠璃色の丸い実が燕の頭に似るというのでツバメオモト、なんだって。
これも普段の山行では見ないヤグルマソウ。美しくてハッとした。ヤブレガサと葉が似ているのでてっきりヤブレガサだとばかり思っていたら、花が全然ちがう。
花も今回は新たに発見したものがおおかった。
こちらはご存知シラネオアオイ。綺麗な色と形で開いているところはあまりない。花弁が柔らかくて大きいのですぐ裏返ったり汚れたりする。
ハクサンチドリも多くてしかも色艶がよかった。チドリも見分けにくいが、葉で見分けると楽で、この痛そうな花弁はハクサンと覚える。
他にも各種ツツジ、マイヅルソウ、フタリシズカ、ニッコウキスゲ、キバナノコマノツメ、ズダヤクシュ、ゴゼンタチバナ、ミヤマキンバイなど、いよいよ高山植物シーズン!という感じでワクワクであった。
下山後の温泉は、昔、年末に雪山で虎毛山に来た時に初めていった泥湯を目指した。
ところが残念ながら日帰り温泉の時間を過ぎてしまい、絶望に打ちひしがれた。
しかたなく川原毛温泉に行こうとすると今度は遊歩道が立ち入り禁止になっていて、別入り口に回る時間もなく、あきらめて地獄を眺めたのみ。
泥湯もそうだが、この付近は硫化ガスがあって死亡事故も起きているため無理は禁物。このミントグリーンが温泉なら魅力的だが、窪地にはぜったいガスが溜まっているはず。死に誘う魅惑の緑白濁だ。
というわけで近場で小安峡にいくことになった。
これまた初めての温泉だが、無色透明ながらなかなか良い泉質で、小さい共同浴場はすいているし小綺麗でよろしかった。
このあたり神室山系が南北に伸びているせいで、その間を抜くことができない。
そしてここは秋田。秋田といえば稲庭うどん。これを食したらすでに5時過ぎ。
てことで今週も帰宅は日付が変わった1時になってしまいました。