この7日から国体が開催される鹿児島。それを知ったのはついてから。
だからですよ、去年は全く問題なかった鹿児島空港ホテルもレンタカーも、夏前に予約したのにほとんど空いていなくてやっと確保したのだ。金曜夜着くので空港ホテルとそこから乗り出しのレンタカーでなくてはならないのだ、絶対。
短い間の友はヤリス君。トヨタ車は久しぶりに乗るけど、相変わらず万遍なくできていて乗り心地はなかなか。が、やっぱりコンパクトカーは加速が悪いな。
まだ2万キロも走っていない綺麗な車だったけど、さすがにこれで車中泊はきつかった。今時は軽のほうがずっと広くて快適なスペースが得られるのだがしょうがない。
(車中泊については妙なことがあったので別途)
大塚山を後にして、もう今日は渡りの時間はピークを過ぎたし、どうせならあちこち回ろう、とおもったが、さてどこにいこう。とりあえず走り出したら「内之浦こっち」の看板発見。よし、行ったことないから内之浦のロケットセンターにいってみよう!
30分もかからず到着すると、すでに橋の欄干が宇宙仕様。でもこれなんだろ。
答え。日本初の人工衛星「おおすみ」でした。これが実寸だそうで、こんなに小さいのかと驚く。
実際の打ち上げは1970年2月11日。大阪万博の年だ。小4だったけど覚えはないなあ。
国内技術だけでの初のロケット打ち上げ成功の快挙だったそうだけど、通信機能はほんの1日の短命だったそうだ。
1963年開所の内之浦宇宙空間観測所。世界でも珍しい山地の発射場だそうだ。
日本の宇宙開発そのものが1950年に始まったというから・・・
それでわかった。建物なんかが子供の頃リアルタイムでみていたウルトラマンにでてくる雰囲気そのままなわけ。
到着すると、受付で登録して許可証をもらってから入るのだが、受付傍にある資料館にまず行ってみることにした。ここは歩いてしかいけないから。
資料館は無料だけど、なんというかそっけないというかやる気ないというか、理系の人が作りました!という感じの、面白く見せるとかわかりやすく知ってもらうとかの工夫はほとんど感じられない、無骨なものでした。
好きな人はわかるんだろうけど、私のように「ロケットって宇宙にうちあげるもの」程度しかわからない人間にはなかなか難しい。色も乏しくて目を引かないし、そもそも展示はいつ作ったのというくらい古ぼけ色あせていて、せっかくの資料館がもったいない。もう少し手入れしてあげたらいいのに、と思いました。
それでもそれらしい展示物もあったので、証拠写真に適したところを少々撮影。
わかる人にはわかるんだろうなあ。うちの会社は実は解析の専門部隊がいて、この人たちは車や船、ロケットなどの燃焼解析が専門なので、JAXAでも仕事をいただいていた。
もう退職された天才さんがいて、H-2Aに係っていたそうで、彼がやっていた頃はすべて成功していたそうです。ちょっとは勉強して、H-2A は液体燃料、イプシロンやM型は固形燃料のロケットだということくらいはわかった。
先月9月7日のH-2A 47号機は成功してよかった。初の月面着陸機と観測衛星を積んでるのだそうだ。春先、H-3が第2エンジンに着火せず失敗した後だし、ご時世もあってこの先の宇宙開発に暗い影があってはと、大変なプレッシャーがあったそうだ。関係者はさぞうれしかっただろう。
どちらも種子島だから、内之浦の人たちはどんな気持ちでみていたのだろう。
かなりニュースや映画になって知られている小惑星探査機「はやぶさ」はここから宇宙に飛び出したと知る。「はやぶさ」は鳥見するものとしてはちょっと贔屓しますよね。渋谷のプラネタリウムで映画みました。実はサントラまで持っています(笑)。
一時は還れなくなるかというトラブルも乗り越えて、イトカワのサンプルを持ち帰ったお手柄も話題になった。
余談だが、日本における宇宙開発の父・糸川博士は、ロケット以前は中島飛行機で戦闘機・隼の開発に携わったそうだ。スバリストとしてはなんかうれしい。
晩年は我が家の山小屋近くの長野・丸子町に住まわれて人生を閉じられたらしい。知らなかった。しかもお宅がカフェになっている。今度いってみよう。
じねんや糸川-Top (jinenyaitokawa.jp)
資料館の最後、出口には自動販売機があって、お土産各種20種類くらいがこれまたそっけなく買える仕様。無人販売。まったくもって無機質。もしかして資料館全体の寂寥感、孤独感、孤絶感は宇宙をアピールするあえての演出か?
中身もいつ充填したんだろう、という色褪せた感じだったが、人気はロケットペンシルらしく、全部売り切れだった。わたしもそれが一番欲しいと思ったんだけど、残った中で選ぶなら、やっぱり宇宙食でしょ~~。定番カレーと・・
比較的失敗のなさそうなこれ。プリンとかアイスとかいろいろあったけど。
パッケージデザインがもう、バリバリの、これ以外ないでしょ!ってベタな感じでなかなか面白い。いつ食べよう。災害のときによさそうね。
資料館をでてから敷地内に入れてもらって車で回ったのだが、施設はどれも入ることはできない。一番高い星観ヶ丘(ほしみがおか)展望台からMロケットの発射台施設を望む。
太平洋が広く明るい。
そしてそのMロケット発射施設まで降りてきた。発射台や施設には近寄れないけど。
それにしてもほとんど人がいない。ここには私しかいなかった。
ロケットと発射台を一緒に撮れる角度がないのよ、惜しいことに。
こういうところも感性が理系!技術系!・・といったら怒られますかね。
地元出身の山仲間にも「なんにもないでしょ」と言われたけど、ほんとに何にもない。
遠景だけで、なにも手ごたえがない。
JAXAは一般にも理解を深めてもらいたいらしいけど、それにはあまりに工夫が足りない。もったいない。
「職員の仕事は、観測所の管理、事務および施設の維持が主ですが、見学者に対しての案内や説明により、宇宙に関する理解を深めてもらうことも重要な仕事のひとつとなっています」
(HPより引用)
いや~、説明してくれる人なんか一人もいなかったし、そんなシステムも見当たらなかったですけど(;^_^A